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今福初段昇段レポート

この度は、弐段昇段審査会の機会をいただき、誠にありがとうございました。

八月にお話をいただいてからの二か月間、
気が引き締まる良い時間を過ごすことが
できました。

そして、私事で恐縮ですが、加藤師範のお心遣いで息子も組手の相手として参加させて
いただきました。
我々親子にとって、今回の十人組手は感慨深いものになりました。
心より感謝申し上げます。

前回の昇段審査会から七年、私はずっとこの機会を待ち望んでいました。七年前の
十人組手の内容が不甲斐なく、とても悔いが残っていたからです。

白濱師範代からも「もっと期待していた。もっとできるはず」とのお言葉をいただき
ました。

白濱師範代の言葉を胸に、次は二十人組手だからもっと鍛錬を重ねなければと、
自問自答しながら七年間稽古を続けてきました。
そして、数年前に加藤勇也弐段、
木下毅顕弐段の二十人組手に参加させていただいた時に連続組手の尊さを改めて実感しました。

ここ数年の私は怪我が多くなり、思うように稽古ができないことも増え苦しかったですが、
先輩方の二十人組手を体感し、連続組手への想いがより一層強くなりました。

そこで、改めて連続組手の意味と、自分自身のあり方を見つめ直しました。

私が思い至ったのは、連続組手とは今の自分自身を大切な仲間に見ていただく機会ではな
いかということです。

計算しながら帳尻を合わせるような戦い方をすることではなく、素直に全てをさらけ出し、
加藤師範や仲間たちに今の自分の心技体を見ていただく。そういう場ではないかと思います。

しかし、現実問題として二十人とどう戦うのか、これもずっと考え続けてきました。
対戦者と戦うのではなく自分との闘いだと頭では分かっていますが、現実的な答えが
出ないまま多くの時間が過ぎました。

そして、自分なりの答えを審査日の一週間前に見つけました。

私が辿り着いた答えは「呼吸」でした。
新しい呼吸法を見つけたのではなく、呼吸の使い方を変えたのです。

答えが見つかると、連続組手の最大の敵は自分自身なんだと深く理解できました。

そして、審査会の一週間前に気づきがあったのは偶然ではなく、昇段審査の機会をいただ
けたことで心が研ぎ澄まされたからだと思っています。

何歳になっても人は気づきを得ら
れると、今回の昇段審査会を通して体験することができました。

審査会を終えて振り返ってみると、特に型はまだまだ稽古不足だなと思いましたが、
今回の我々の昇段審査で道場生の皆さんに何かを伝えられたら幸いです。

加藤師範、白濱師範代をはじめ多くの仲間が協力してくださったおかげで、貴重な体験を
することができました。本当にありがとうございました。

私が神奈川県伊勢原市に支部を開設させていただいてから四年が経ちました。
常に武心塾の支部として恥ずかしくない道場を作りたいと考え、日々稽古を重ねています。

その中で子供たちと触れ合う度に、空手道場は教育の場だと強く考えるようになりました。

子供たちの人格形成と心の成長など、社会教育の場として責任の重さを実感しています。

武心塾の理念を大切にしながら、自分自身が考える空手道の追求、教育の在り方、インク
ルーシブ教育の実践、社会教育の場としてしっかり背骨の通った道場をこれからも目指し
ていきたいと思います。

私は空手道に出会えて本当に幸せです。
そして、空手道をこんなにも愛せるようになったのは加藤師範と仲間のおかげです。

この運命を一生大切にしていきたいと思います。そのためにも日々空手家として、また
一人の人間として、常に勉強と挑戦を忘れず研鑽を積んでいきたいと思います。

今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。

令和四年 十一月一日